コラム

リフォーム会社のMEO対策。支援先2拠点を開いたら、閲覧の7割以上はマップではなく検索でした

「MEO対策」は、ほとんどの場合「Googleマップ対策」という意味で使われています。ところが支援先の管理画面を開くと、プロフィールを見られた経路の7割以上はGoogleマップではなくGoogle検索でした。2拠点で確かめて、どちらも同じ傾向です。

この記事は、リフォーム会社・工務店がMEOで何から手を付けるかを、Googleの公式ヘルプの記述と、支援先2拠点の実数だけで組み立てたものです。順位を上げる裏技は出てきません。代わりに、着手の順番と、やってはいけないことがはっきりします。

この記事でわかること

  • 支援先2拠点の実数(閲覧4,108/4,632・検索経由72.0%/80.5%)
  • 表示につながった検索の95%以上が社名だった、という事実
  • Googleが公表している順位の要素は3つだけ、という公式の記述
  • リフォーム会社の多くが「非店舗型ビジネス」に当たる理由と、住所の扱い
  • カテゴリ・クチコミ・写真・投稿の優先順位
  • 月次で見る指標と、見ても仕方がない指標

まず結論|MEOで最初に決めるのは「住所を出すかどうか」です

この記事の要点

  • 閲覧の7〜8割はGoogleマップではなくGoogle検索からでした。拠点1で72.0%、拠点2で80.5%。「MEO=マップ対策」という通称と、実際の流入経路はずれています。
  • 表示につながった検索の95%以上が社名での検索でした。2拠点とも上位5語句がすべて社名で、「地域+業種」で見つけられている形跡がありません。
  • Googleが公表している順位の要素は「関連性・距離・知名度」の3つだけです。そして知名度の説明に、クチコミが名指しで入っています。
  • 事務所に常設の看板が無ければ、Googleの定義では店舗ではありません。その場合は住所を消し、サービス提供地域(最大20か所)で登録します。

順番を間違えると、写真を増やしても投稿を続けても数字が動きません。最初に決めるのは住所です。ここが決まらないと、そもそもどの検索で戦うのかが決まりません。

実機で確かめました|閲覧の7割以上は、マップではなく検索から

支援先の工務店1社(2拠点)のGoogleビジネスプロフィールを、2026年9月23日に開きました。期間は2026年4月〜9月の6か月です。ビジネスプロフィールのパフォーマンスは、直近6か月分しか遡れません。

Googleビジネスプロフィールのパフォーマンス画面。2026年4月〜9月のインタラクション910、プロフィールを閲覧したユーザー数4,108、表示につながった検索数1,115。プラットフォーム内訳はGoogle検索モバイル1,607・39%、Google検索パソコン1,352・33%。検索語句の1位と2位は社名で584回と231回。
画面1|支援先の拠点1のパフォーマンス画面(2026年9月23日に取得・社名はマスクしています)

2拠点とも、マップ経由は2〜3割でした

[ユーザーがビジネスを見つけた経路]には、プラットフォームとデバイスの内訳が出ます。拠点1はGoogle検索が72.0%、Googleマップが28.0%。拠点2はGoogle検索が80.5%、Googleマップが19.5%でした。

プロフィール閲覧の経路を示した横棒グラフ。拠点1はGoogle検索72.0%・Googleマップ28.0%、拠点2はGoogle検索80.5%・Googleマップ19.5%。
図1|プロフィールが閲覧された経路(支援先2拠点・2026年4月〜9月)

「マップで上位に出す」だけを目標に置くと、7〜8割を占める経路を見ないことになります。実務上の意味は単純で、プロフィールの中身(カテゴリ・説明文・写真・クチコミ)は、マップアプリの中だけでなく、通常のGoogle検索結果でも読まれているということです。

表示につながった検索の95%以上が、社名での検索でした

もうひとつ、はっきり出たものがあります。[ビジネスプロフィールの表示につながった検索語句]の上位5件が、2拠点ともすべて社名でした。

支援先2拠点の実数を比較した表。拠点1はインタラクション910、閲覧4,108、検索数1,115、検索語句トップ5合計1,097。拠点2はインタラクション393、閲覧4,632、検索数1,514、検索語句トップ5合計1,449。
図2|支援先2拠点の実数(2026年4月〜9月・当社が画面から取得して算出)

上位5語句の合計は、拠点1で1,097回。表示につながった検索数1,115回の98.4%にあたります。拠点2は1,449回で、1,514回の95.7%。つまり、この2拠点がGoogleに表示されている検索は、ほぼ全部が「すでに社名を知っている人」の検索です。

※ 上位5件より下の語句は画面に出ていないため、残りの1.6%・4.3%の中身は確認できていません。「一般的な語句がゼロ」とは書けませんが、上位に1件も入っていないことは確かです。

閲覧が多いほうが、行動が多いとは限りません

もうひとつ気づいたことがあります。閲覧ユーザー数は拠点2のほうが多い(4,632 対 4,108)のに、インタラクション(通話・ルート検索・ウェブサイトのクリックなど)は拠点1のほうが2.3倍多いのです。閲覧に対する行動の割合は、拠点1が22.2%、拠点2が8.5%でした。

見られた回数と、動いてもらえた回数は別の指標です。MEOの報告で閲覧数だけを追いかけると、この差が見えません。

※ 拠点1は2026年7月にインタラクションが250件から51件へ急減し、8月66件・9月65件と低いままです。拠点2では同じ時期に起きていません(6月55件→7月65件)。拠点1に固有の事象ですが、原因は特定できていません。断定を避けて、そのまま記載します。

Googleが公表している順位の要素は、3つだけです

ローカル検索の順位について、Googleは公式ヘルプで要素を3つ挙げています。「関連性、距離、知名度」です。同じページには、順位を上げるための依頼や金銭の受け取りには応じない、という趣旨の注意書きも置かれています。

Googleビジネスプロフィールヘルプの画面。ローカル検索結果のランキングを決定する要素として関連性・距離・知名度の3つが説明されている。
画面2|Google「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」(日本語版・2026年9月23日に確認)

「視認性の高さ」ではなく「知名度」と書かれています

日本語のMEO解説では、3つ目の要素を「視認性の高さ」と書いているものを多く見かけます。ところが2026年9月23日時点の公式ヘルプ日本語版は「知名度」です。当社が確認した範囲では、現在のページに「視認性」という語は出てきませんでした。

※ 同じページの末尾には、AI技術を使った翻訳が含まれる場合がある旨の注記があります。英語版の語は prominence で、どちらの訳語でも指しているものは同じです。ただし解説記事を読むときは、いつの版を引いているかを気にしたほうが安全です。

知名度の説明に、クチコミが名指しで入っています

3要素のうち、リフォーム会社が自分で動かせるものは限られます。距離は動かせません。関連性はプロフィールの情報量で上げられます。そして知名度について、ヘルプはリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数などにも基づくと説明し、クチコミ数が多く評価の高いビジネスは順位が高くなると明記しています。

ローカル検索の3要素と、リフォーム会社が動かせるかを整理した表。関連性は動かせる、距離は動かせない、知名度は間接的に動かせる。
図3|3つの要素と、リフォーム会社が自分で動かせる範囲(当社による整理)

順位に効くとGoogle自身が書いている数少ない要素が、クチコミです。後述しますが、集め方にはルールがあります。

リフォーム会社の多くは「非店舗型ビジネス」です

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。事務所に常設の看板が無く、そこでお客様に接客していないなら、Googleの定義では店舗ではありません。

Googleビジネスプロフィールヘルプの画面。非店舗型ビジネスとハイブリッド型ビジネスの定義が説明され、ビジネス拠点に看板が常設されていない場合は店舗とは認められないと書かれている。
画面3|Google「非店舗型ビジネスとハイブリッド型ビジネスのサービス提供地域を管理する」(日本語版・2026年9月23日に確認)

看板が常設されていなければ、店舗とは認められません

ヘルプは非店舗型ビジネスを「客先に出向いてサービスや商品を提供し、ビジネス拠点の住所では接客しないビジネス」と定義し、例として清掃サービスや配管工事を挙げています。ハイブリッド型の説明には、拠点に看板が常設されていない場合は店舗とは認められず、非店舗型として登録する必要があるという一文があります。

ショールームがあり、看板を出し、お客様が来訪する会社は店舗型です。一方、事務所が雑居ビルの一室で、打ち合わせは現場かお客様のお宅で行う会社は、非店舗型に当たります。リフォーム会社でこの形は珍しくありません。

住所を消すと、代わりにサービス提供地域を最大20か所

非店舗型に当たる場合、ヘルプはプロフィールから住所を削除するよう求めています。そのうえでサービス提供地域を登録します。指定は市区町村や郵便番号などで、最大20か所。編集の反映には最長48時間かかることがあります。

もうひとつ重要な制約があります。非店舗型では、サービスを提供する地域全体に対してプロフィールを1つしか作れません。「エリアごとにプロフィールを増やす」はできない、ということです。

住所を出すか消すかの判定表。ショールームがあり看板を常設して来訪を受けるなら店舗型で住所を出す。看板が無く事務所で接客しないなら非店舗型で住所を削除しサービス提供地域を登録する。
図4|住所を出すか消すかの判定(公式ヘルプの記述にもとづく当社の整理)

店舗名の付け方にも別のルールがあります。地名やサービス名を足してよい場合とだめな場合の線引きは、Googleビジネスプロフィールの店舗名、日本語とローマ字を並べると違反です。ただし「地名を消せ」ではありませんにまとめています。

では、何から手を付けるか

リフォーム会社のMEOで着手する順番の表。1番目は住所と業種の判定、2番目はカテゴリ、3番目はクチコミ、4番目は写真と投稿、5番目はウェブサイトとの接続。
図5|当社が支援先で進めている着手の順番(当社の運用方針)

①カテゴリを合わせる

カテゴリは関連性に直接効きます。冒頭の支援先は、同じ会社なのに拠点1が「住宅建設業者」、拠点2が「建設請負業者」でした。悪いことではありませんが、どちらの語で見つけてほしいのかを決めずに設定されている状態は珍しくありません。リフォームを主軸にするならリフォーム関連のカテゴリを主カテゴリに置く、という判断が先です。

②クチコミを増やす。ただし報酬は禁止です

知名度の説明にクチコミが名指しで入っている以上、ここは避けて通れません。ただしGoogleは、割引や無料提供と引き換えにクチコミを依頼することを禁止しています。投稿・変更・低評価の削除と引き換えに報酬を渡すことも同様です。

当社が支援先に案内している集め方

  • 引き渡しの当日に、その場でお願いする。後日のメールは反応が落ちます
  • 短縮リンクかQRコードを用意する。ヘルプもリンクとQRコードを案内する方法を挙げています
  • 謝礼・値引きは付けない。ポリシー違反であり、クチコミごと削除される可能性があります
  • 全件に返信する。低評価にも、簡潔に、礼儀正しく

冒頭の支援先は、拠点1が★3.6で5件、拠点2が★3.1で12件でした。件数が一桁の段階では、1件の低評価で平均が大きく動きます。まず件数を増やすほうが先です。

③写真と投稿は「更新されている」ことのほうが効きます

写真はリフォーム会社にとって最大の武器です。施工前後の写真は、そのまま検討材料になります。ただし1回に100枚入れるより、毎月数枚を入れ続けるほうが運用として続きます。投稿(最新情報)も同じで、止まっているプロフィールは見た人に伝わります。

地域ごとのページを大量に作ってローカル検索を取りにいく方法は、うまくいかないことのほうが多く、やり直しにも時間がかかります。その理由はエリアページは消しても戻りません。Googleが「数か月」と書いている理由に書きました。

数字の見方を決めておく

MEOの月次レポートで見る指標と見ない指標の表。閲覧ユーザー数・インタラクション・検索語句・クチコミ件数は見る。順位チェックツールの順位は見ない。
図6|当社がMEOの月次レポートで見ている指標(当社の運用方針)

指名検索と、その外側を分けて見る

いちばん大事な見方はこれです。表示につながった検索語句を、社名(指名検索)とそれ以外に分けて数えてください。冒頭の支援先のように95%以上が指名検索なら、いまのプロフィールは「知っている人が確認しに来る場所」として機能しているだけで、新規の発見には効いていません。

この数字が動き始めたかどうかが、MEOの成果指標になります。順位チェックツールの数字よりも、自分の管理画面に出ている語句のほうが確かです。Search Console側で順位という指標がどう扱われているかは、「AIの掲載順位」は存在しません。Search Consoleの2つのレポートを実機で比べましたで扱いました。

GBPの数字を、GA4に入れられるようになりました

2026年9月時点で、GoogleビジネスプロフィールをGoogleアナリティクスに接続できます。インタラクション、ウェブサイトのクリック、通話、ルート検索などをアナリティクス側で見られるようになり、データは過去6か月分です。接続にはアナリティクスの編集者以上と、ビジネスプロフィールのオーナーまたは管理者の権限が必要です。

※ 複数のプロフィールを接続した場合、プロフィールごとに分けて見ることはできません。また、探索レポートや比較機能では使えません。拠点別に見たい場合は、従来どおり管理画面を開く必要があります。

あわせて、Geminiのウェブアプリからビジネスプロフィールを管理する機能も案内されています。プロフィールの更新やクチコミへの返信、パフォーマンス指標の確認ができるとされていますが、オーナー確認済みのプロフィールを1つだけ管理している個人アカウントが条件で、複数拠点を持つ会社は対象外です。冒頭の支援先のように2拠点あると、現時点では使えません。

よくあるご質問

Q. MEO業者の「上位表示保証」は信じていいですか

A. Googleは、順位を上げるための依頼や金銭の受け取りには応じないと公式ヘルプに明記しています。したがって「Googleに働きかけて順位を上げる」という意味での保証は成立しません。プロフィールの整備やクチコミの獲得を代行するサービス自体は有用ですが、保証の中身が何を指しているかは契約前に確認してください。

Q. 事務所の住所を消すと、地元で表示されなくなりませんか

A. 住所を消しても、サービス提供地域を登録すればその地域の検索対象になります。むしろ、実態が非店舗型なのに住所を出したままにしているほうが、ガイドライン違反として扱われる可能性があります。判断に迷う場合は、看板が常設されているかを基準にしてください。

Q. クチコミの代行や、AIで文章を作ってもらうのはどうですか

A. 本人の実体験にもとづかないクチコミは、ポリシー違反です。代行は論外として、お客様が書く文章の下書きをこちらで用意するのも避けたほうが安全です。返信のほうは、テンプレートを作っておいて状況に合わせて直す運用で問題ありません。社内でAIをどこまで使うかの線引きは、リフォーム会社のAI活用ガイドにまとめています。

まとめ|順位ではなく「指名検索の外側」を見てください

今日から始められる3つを示した表。管理画面で検索語句を社名とそれ以外に分ける、看板の有無で住所の扱いを決める、引き渡し時のクチコミ依頼を仕組みにする。
図7|今日から始められる3つ(当社の運用)
  • 閲覧の7〜8割はGoogleマップではなくGoogle検索からでした。プロフィールの中身は、マップアプリの外でも読まれています
  • 表示につながった検索の95%以上が社名でした。MEOの成果は、この割合が下がることで測れます
  • 看板が常設されていなければ、Googleの定義では店舗ではありません。住所を消し、サービス提供地域で登録するのが先です

MEOは、順位を上げる作業というより「会社の情報を、Googleが読める形に置き直す作業」に近いものです。住所とカテゴリを決め、クチコミを集める仕組みを作る。派手さはありませんが、3つの要素のうち自分で動かせるのはそこだけです。

「MEOを頼んでいるが、何が良くなったのか分からない」を、数字で見えるところから。

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