コラム

エリアページは消しても戻りません。Googleが「数か月」と書いている理由

「〇〇市 リフォーム」「〇〇町 外壁塗装」。地名だけを差し替えたページを、何十本もお持ちの会社があります。数年前まではこれで順位が取れました。いまは取れなくなり、それどころかサイト全体の調子が悪い——そんなご相談が増えています。

2026年9月7日、GoogleのJohn Mueller氏が、大量生成したページを抱えるサイトの相談にこう答えました。「私たちのシステムは、古いページを根拠に、あなたのサイトが利用者に良い価値を提供するという信頼を失っている可能性があります」。問題は、この相談者がすでに該当ページを止めたあとだった、という点です。

この記事でわかること

  • 薄いページを止めても、数か月インデックスが戻らなかった実例
  • Googleが「数か月かかることもあります」と書いている箇所
  • その「次のコアアップデート」が4か月来ていないという事実
  • AIで作ったかどうかは関係ない、と公式に書かれている
  • エリアページを残す/統合する/消すの判断基準
  • 当社サイトの全34ページの内訳(エリアページは0本)

まず結論|消す前に、数えるところから始めてください

この記事の要点

  • 消しても、すぐには戻りません。Googleは「システムが学習し、確認するまでには、数か月かかることもあります」と書いています。
  • その先の「次のコアアップデート」も、いま来ていません。直近は2026年5月21日で、本稿執筆時点で4か月が経過しています。
  • AIで作ったかどうかは関係ありません。公式の定義に「その作成方法は問わず」と明記されています。手で量産しても同じ扱いです。
  • だからこそ、慌てて全部消すのが正解ではありません。まず何本あるかを数え、1本ずつ「残す・統合する・消す」を決めます。

順に、一次情報を示しながら見ていきます。

何が起きたのか|止めたあとも、戻らなかった

「古いページのせいで、信頼を失っている」

発言の場はBlueskyです。ある開発者が、技術情報を集めたサイトの相談を投げ、Mueller氏が5連投で答えました。そのうちの1本にこうあります。

BlueskyのJohn Mueller氏の投稿。古いページを根拠にシステムが信頼を失っている可能性があると書かれている
画面1:2026年9月7日21時13分(日本時間)の投稿です

ここで大事なのは、この相談者がすでに手を打ったあとだったことです。薄いページは noindex 済み。それでも「/about のような主要ページまで『クロール済み – インデックス未登録』のまま、数か月が過ぎている」という状態でした。

手を打っても、ひとつも効かなかった

相談内容を並べると、対処としては一通りやっています。

相談者がやったことと、それでも戻らなかった結果をまとめた表
図1:手動対策も受けておらず、被リンクもある。それでも戻っていません

ペナルティを受けて消えているわけではない、という点が重要です。手動による対策もセキュリティの問題もありません。Hacker NewsやProduct Huntが取り上げた被リンクもあります。それでもインデックスされない。「何か悪いことをしたから罰を受けている」のではなく、「価値があると判断されなくなっている」という状態です。

なぜ戻らないのか|Googleが期間を書いています

「数か月かかることもあります」

Mueller氏は「Resolving this tends to take time & significant effort(解決には時間と相当な労力がかかる傾向があります)」とだけ書き、具体的な期間は示しませんでした。ただし、公式ドキュメントのほうには書いてあります。

「改善を行った場合、検索結果に効果が現れるまでには時間がかかることがあります。数日で効果が出るものもありますが、サイト全体が長期的に有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツを提供しているとシステムが学習し、確認するまでには、数か月かかることもあります。数か月経ってもまだ効果が見られない場合は、次のコア アップデートまで待つ必要があるかもしれません。」(Google検索セントラル・原文ママ)

Mueller氏の「システムが信頼を失っている」と、公式の「システムが学習し、確認するまでには」は、同じことを指しています。個人の見解ではなく、ドキュメントに書かれている挙動です。

その「次のコアアップデート」が来ていません

ここに、もう一段の待ち時間が乗ります。Google検索ステータスダッシュボードで確認すると、直近のコアアップデートは2026年5月21日。本稿執筆時点で4か月が経過しています。

Googleのコアアップデート解説と、検索ステータスダッシュボードのランキング更新履歴
画面2:上が公式の記述、下が実際の更新履歴です(2026年9月21日に確認)

同じページには「必ずしも大規模なコア アップデートを待つ必要はありません」という補足もあり、小規模な更新でも順位は動くとされています。とはいえ「ウェブサイトに変更を加えても、検索結果に目に見えて変化が現れる保証はありません」とも明記されています。

システムの学習・次のコアアップデート・戻る保証の3段階をまとめた表
図2:3つとも「いつ」が確定していません。だから見積もりが立ちません

あわせて、もうひとつ公式に否定されている対処があります。Search Consoleのヘルプには、「クロール済み – インデックス未登録」について「この URL のクロールのリクエストを再送信する必要はありません」と書かれています。インデックス登録をリクエストし直せば直る、という定番の対処は効きません。

どこからが「量産」なのか

AIで作ったかどうかは、関係ありません

「生成AIで記事を作っているのが問題なのでは」と聞かれます。関係ありません。スパムポリシーの定義にこうあります。

Googleのスパムポリシーの大量生成されたコンテンツの不正使用と誘導ページの不正使用
画面3:上が「大量生成されたコンテンツの不正使用」、下が「誘導ページの不正使用」です

「独自性のないコンテンツをその作成方法は問わず、大量に作成することに特化しています」。人が手で書き分けても、テンプレートに流し込んでも、AIに生成させても、扱いは同じです。分かれ目は道具ではなく、そのページに固有の中身があるかどうかです。

工務店サイトでよくある4つの型

公式の記述と照らすと、工務店サイトでよく見る作り方は次のように分かれます。

工務店サイトでよくあるページの作り方と、スパムポリシーの記述を対応させた表
図3:施工実績を1件1ページで載せるのは、量産とは別物です

誤解されやすいのですが、ページ数が多いこと自体は問題ではありません。施工実績を1件1ページで100本載せているサイトは、100件それぞれ写真も間取りも施主の要望も違います。これは該当しません。問題は「本数のわりに中身が1種類しかない」状態です。

地域を扱うページに、Googleが求めていること

エリアページに直接効く記述が、別のドキュメントにあります。

Googleのユーザーを第一に考えたコンテンツの自己評価項目
画面4:「ある場所を訪れたりした経験」という言葉が入っています

「実体験や深い知識(たとえば、実際に商品やサービスを使用したり、ある場所を訪れたりした経験に基づく特別な知識)を明確に示していますか」。地名を差し替えただけのページは、この質問に「はい」と答えられません。逆に言えば、その地域で実際に施工した写真と話が載っていれば、堂々と「はい」と答えられます。

あわせて、Googleは「検索エンジンを第一に考えたコンテンツ」を避けるための自己診断も示しています。「以下の一部またはすべての質問に対する答えが『はい』だった場合は、コンテンツをどのように作成するかを再評価する必要があるという警告です」として、次のような項目が並びます。

「はい」なら見直しが必要、とされている質問(原文ママ・抜粋)

  • コンテンツは検索エンジンからのアクセスの増加を主な目的として作成されたものですか。
  • いずれかが検索結果の上位に表示されることを期待して、さまざまなトピックで多くのコンテンツを制作していますか。
  • 多くのトピックについてコンテンツを作成する際、かなりの部分に自動化を使用していますか。
  • 検索トラフィックを獲得できると考えて、実際の経験がないにもかかわらず、ニッチなトピックを扱うことにしましたか。

エリアページの量産は、上の4つすべてに「はい」が付きやすい作り方です。

この記事での注意点

Mueller氏が答えていたのは、技術スタックの組み合わせでページを自動生成しているサイトからの相談です。工務店のエリアページについて語ったわけではありません。「同じ構造の問題だ」というのは当社の解釈です。また氏は「I worry a bit(少し心配です)」という書き方をしており、最後に「not to say that your site is spam(あなたのサイトがスパムだと言っているわけではありません)」と留保を付けています。警告ではなく、個別相談への回答です。

では、どうするか

全部消す、が正解ではありません

「危ないなら全部消そう」と考えたくなりますが、おすすめしません。消しても戻るまでに数か月かかる以上、消すこと自体には即効性がありません。そして消した先に何も無ければ、順位が戻ったときに受け皿がありません。

やるべきは、1ページずつ中身を見て振り分けることです。どのページに手をかけるかを決める話でもありますので、投資先の優先順位も一度整理しておくとやりやすくなります(AI検索時代に工務店・リフォーム会社が投資すべきページ)。

ページを残す・統合する・削除する・作らないの判断基準をまとめた表
図4:本数が減ること自体は、悪いことではありません

統合するときの注意点をひとつ。301リダイレクトだけ設定して、統合先に地域の記述が無いと、検索した人にとっては情報が消えたのと同じです。統合先のページに「どの地域を含むか」が読んで分かる形で残してください。

当社サイトは、全部で34ページです

参考までに、当社サイト(nextoria.jp)のサイトマップを実際に開いて数えました。

nextoria.jp の全ページ内訳(2026年9月21日・実測)

  • 固定ページ 10本(トップ、サービス4本、会社概要、問い合わせ、セミナー申込、プライバシーポリシー、メルマガ規約)
  • セミナー 1本/コラム 20本/コラムタグ 2本/著者 1本
  • 合計 34URL。コラムは2026年3月13日から9月10日までの約6か月で20本、月あたり3.3本のペースです
  • エリアページは1本もありません。「浜松市 ホームページ制作」のような派生ページを作っていません

34ページしかなくても、指名検索以外からの問い合わせは来ています。ページ数は、集客の前提条件ではありません。当社が実際にやっているのは、1本ずつ自分で確かめて書くことだけです(LLMO対策は必要か。Googleが「する必要のないこと」を5つ名指ししています)。

それでも地域で取りたい場合

地域で上位を取りたいなら、ページを増やすより先に見るべき場所があります。Googleビジネスプロフィールです。地域名を含む検索ではマップの枠が上に出るため、そこに入っていないまま記事を増やしても順番が回ってきません。店舗名の書き方には違反になるパターンがあるので、あわせてご確認ください(GBPの店舗名は日本語とローマ字を並べると違反になります)。

よくあるご質問

削除するのと noindex にするのは、どちらがいいですか

検索への効き方という意味では、どちらにも即効性はありません。今回の相談者が選んだのは noindex でしたが、それでも数か月インデックスが戻っていません。

判断は検索ではなく、閲覧者の側に置いてください。そのページを開いた人が困るなら残して書き直す。誰も困らないなら統合するか消す。統合先があるなら301リダイレクト、無いなら消す、という順です。

何本以上あったら「量産」になりますか

本数の基準は公式に示されていません。スパムポリシーの定義も「ユーザーにとってほとんどまたはまったく価値がなく、独自性のないコンテンツ」を「大量に」としか書いていません。

数えるべきは本数ではなく、本数あたりの中身の種類です。20本あって中身が20通りなら問題になりにくく、5本でも中身が1通りなら危うい。図5の2つめで「本文を横に並べて読む」とお伝えしているのは、そのためです。

生成AIで書いた記事は、全部消したほうがいいですか

いいえ。公式の定義は「その作成方法は問わず」です。裏を返せば、AIを使ったこと自体は問題にされていません。例に挙がっているのは「ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること」であって、AIの使用そのものではありません。

AIで下書きを作り、そこに自社の施工実績・現場の写真・お客様の声といった自社にしかない事実を足しているなら、該当しません。逆に、AIの出力をほぼそのまま並べて本数を稼いでいるなら、人が手で書いた場合と同じ扱いになります。

今日やること3つ

今日やること3つ。サイトマップを開く、地名だけ違うページを数える、1本だけ書き直す
図5:まず数えてください。本数が分からないと、終わりが見えません

2つめがいちばん大事です。地名だけが違うページを3本並べて、本文を横に読んでみてください。同じ文章が続くなら、それが対象です。1本目と2本目で書いてあることが違うなら、そのページには固有の中身があるということです。

まとめ

今回の発言は、Googleからの新しい警告ではありません。個別の相談への回答です。ただし、そこで語られた「消しても戻らない」という構造は、公式ドキュメントにそのまま書かれていました。システムが学習し直すまで数か月、その先に次のコアアップデート、そして戻る保証はなし。

この待ち時間の長さは、裏を返せば「まだ作っていない会社にとっては、作らない判断の根拠になる」ということでもあります。いま量産していないなら、始めないでください。すでに抱えているなら、慌てて消すより先に数えてください。ページ数を減らして質を上げる方向が、結局いちばん早い道です。

地域で見つけてもらう手段は、ページを増やすことだけではありません。Googleビジネスプロフィール側で何から手を付けるかはリフォーム会社のMEO対策。支援先2拠点を開いたら、閲覧の7割以上はマップではなく検索でしたに書いています。

自社サイトのページ、一度そのまま見せていただけませんか。

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出典

  • John Mueller 氏(Google)の投稿(Bluesky・2026年9月7日 21:13 JST・2026年9月21日に確認。「lost faith」の発言、プログラマティックSEOへの言及、解決には時間と労力がかかる旨、スパムだとは言っていないという留保)
    https://bsky.app/profile/johnmu.com/post/3muwiaqve6k22
  • 相談者の投稿(Bluesky・2026年9月6日・2026年9月21日に確認。noindex 済みであること、主要ページが「クロール済み – インデックス未登録」のままであること、手動対策なし・被リンクありの状況)
    https://bsky.app/profile/jonathan.howell.me.uk/post/3muurteicac2u
  • Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」(日本語版・最終更新 2026年9月2日・2026年9月21日に確認。大量生成されたコンテンツの不正使用の定義と例5つ、誘導ページの不正使用の例4つ)
    https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies?hl=ja
  • Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」(日本語版・最終更新 2025年12月18日・2026年9月21日に確認。ユーザーを第一に考えたコンテンツの自己評価項目、検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成を回避する)
    https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja
  • Google検索セントラル「Google 検索のコア アップデート」(日本語版・最終更新 2025年12月31日・2026年9月21日に確認。検索結果に効果が現れるまでの所要時間、変化の保証はない旨)
    https://developers.google.com/search/docs/appearance/core-updates?hl=ja
  • Search Console ヘルプ「ページ インデックス登録レポート」(日本語版・2026年9月21日に確認。「クロール済み – インデックス未登録」の説明、再送信の必要はない旨)
    https://support.google.com/webmasters/answer/7440203?hl=ja
  • Google検索ステータスダッシュボード(2026年9月21日に確認。直近のコアアップデートは May 2026 core update・2026年5月21日開始)
    https://status.search.google.com/summary
  • 調査:株式会社NEXTORIA(2026年9月21日)。nextoria.jp の wp-sitemap.xml と配下のサブサイトマップを取得して全URLを数えた

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