LLMO対策は必要か。Googleが「する必要のないこと」を5つ名指ししています
「LLMO対策、やらなくて大丈夫でしょうか」。ここ数か月、工務店・リフォーム会社の経営者からよくいただくご質問です。llms.txt を置く、コンテンツを細かく分割する、AIが読みやすい文章に書き換える。こうした施策が「これからはSEOではなくLLMO」という文脈で紹介されています。
結論から書きます。Googleは、これらのうち5つを「する必要のないこと」として公式ドキュメントで名指ししています。しかも「多くは効果がなく、Google 検索の実際の仕組みによってもサポートされていません」という強い書き方です。原文をそのまま示したうえで、当社サイトで実際に確かめた結果と、代わりに何をやるかまでまとめます。
この記事でわかること
- Googleの公式ドキュメントに「LLMO」という言葉は出てこない
- Googleが「する必要のないこと」として名指しした5つの施策
- llms.txt は「Google 検索ではそれらは無視される」と明記されている
- 当社サイトは llms.txt なしでも、生成AI機能に月93回表示されている
- ただし robots.txt で止めてはいけないクローラーが1つある
- Googleが「AIの回答に表示されやすくなる」と書いている数少ない施策
まず結論|工務店が今日確認するのは3つだけ
この記事の要点
- 「LLMO」はGoogleの用語ではありません。使われているのはAEOとGEOで、いずれも「SEOの範疇にあります」と書かれています。
- llms.txt は置いても置かなくても、Google検索での表示は変わりません。「可視性やランキングにプラスにもマイナスにも影響しない」と公式に明記されています。
- ただし robots.txt は要注意です。AI系クローラーを一律で拒否すると、ChatGPTの検索結果からは消えます。OpenAIが公式に書いています。
- Googleが「AIの回答に表示されやすくなる」と書いている施策は、Googleビジネスプロフィールです。新しいファイルを作るより先です。
そもそもGoogleの文書に「LLMO」は出てきません
まず言葉の整理からです。Google検索セントラルの日本語ドキュメントを検索しても、「LLMO」という語は1か所も出てきません。出てくるのはAEO(回答エンジン最適化)とGEO(生成エンジン最適化)の2つです。LLMOは、日本語圏で主に使われている呼び方だと考えておくのが正確です。
そのうえでGoogleはこう書いています。「Google 検索の観点から見ると、生成 AI 検索向けに最適化することは検索エクスペリエンス向けに最適化することであり、SEO の範疇にあります」。つまりSEOとLLMOは別物ではなく、後者は前者の一部という整理です。
同じ段落には「サードパーティの『AEO』または『GEO』のアドバイスやサービスを検討している場合は、サードパーティの SEO アドバイスを評価するためのガイダンスをご覧ください」とも添えられています。Googleがこの誘導を入れていること自体が1つの情報だと思います。
Googleが「する必要のないこと」として挙げた5つ
本題です。Google検索セントラルの「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」(最終更新 2026年7月14日)に、「生成 AI 検索の誤解を解く: する必要のないこと」という章があります。
章の冒頭はこうです。「提案されている『ハック』の多くは効果がなく、Google 検索の実際の仕組みによってもサポートされていません」。そのうえで5つが並びます。
とくに効くのは1つめと5つめです
1つめのllms.txtの原文はこうです。「Google 検索(生成 AI 機能を含む)で表示されるようにするために、新たにコンピュータが解読可能なファイルや AI テキスト ファイル、マークアップ、マークダウンを作成する必要はありません。Google 検索自体がそれらを使用しないためです」。
5つめの構造化データは丁寧に読む必要があります。「生成 AI 検索に構造化データは必須ではありません」としつつ、「ただし、Google 検索のリッチリザルトの対象となる助けとなるため、SEO 戦略全体の一部として引き続き使用することをおすすめします」と続きます。「入れなくていい」ではなく「AIのために厚くする必要はない」という意味です。
FAQの構造化データは、そもそも出口が閉じています
「LLMO対策としてFAQの構造化データを入れましょう」という助言もよく見かけますが、Googleは2026年5月によくある質問のリッチリザルトを検索結果から取りやめ、6月15日にはドキュメントごと削除しています。同じ日の更新履歴に、llms.txtのガイダンス明確化も並んでいます。
※ FAQを書くこと自体が無駄という意味ではありません。消えたのは「構造化データを入れると検索結果に大きく表示される」という見返りの部分です。
自社サイトで確かめました|llms.txtなしで、月93回
ここからは当社の実測です。2026年9月7日、nextoria.jp を自分で点検しました。
nextoria.jp の実測(2026年9月7日)
/llms.txtは404。置いていません- robots.txt は112バイト。WordPressの既定のままで、
User-agent: *とwp-adminの除外、サイトマップの指定だけです - AI系クローラーの記述はゼロ。GPTBot・OAI-SearchBot・Google-Extended・CCBot・PerplexityBot・ClaudeBot、いずれも1行もありません(=すべて既定で許可されている状態)
この状態で、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートの数字は表示回数93回(2026年8月11日〜9月5日の26日分、同期間のウェブ検索表示は2,876回)でした(Search Consoleの[検索の生成AI]が全サイトに開放された件)。
さらに、GoogleのAIモードに工務店のお客様が聞きそうな6問を投げ、引用元55件を分類したときも、最も多かったのは施工会社の自社サイトで31件(約56%)でした(AIで調べた人の7割が引用元を見に行く)。この31社が全員 llms.txt を置いている、とは考えにくいはずです。
※ 「置かなくても表示された」は「置いても無駄」の証明にはなりません。ただ、Googleが「無視する」と明記していることと実測が矛盾していないとは言えます。
では llms.txt は誰のためのファイルなのか
ここは正確に書きたいところです。llms.txt には実体があり、使われてもいます。ただし用途が違います。
提唱しているのはJeremy Howard氏という個人で、初出は2024年9月3日。説明文は「A proposal to standardise(標準化の提案)」です。標準として承認されたものではありません。
肝心の用途について、提案書本文にはこうあります。「llms.txt information is instead used on demand, when an agent needs information about a topic」(llms.txtの情報は、エージェントがあるトピックについて情報を必要としたときに、オンデマンドで使われる)。検索インデックスに載るための仕組みではないと、提唱者自身が書いているわけです。
採用実績も明記されています。「thousands of sites publish an llms.txt file」、ドキュメント基盤が自動生成し、Chromeの Lighthouse が有無をチェックし、OpenAI・Anthropic・Gemini が自社の開発者向けドキュメントで公開している。「ドキュメントサイトの仕組み」として根づいているのが実態です。
施工事例とブログが中心の工務店サイトに置いても、検索AIでの表示は変わりません。Googleも「維持することにしても、まったく問題ありません」と書いているので置くこと自体は止めませんが、優先順位は最下位で構いません。
止めてはいけないクローラーが1つあります
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい実害の話です。「AIに学習されたくない」という理由で、robots.txt にAI系クローラーの拒否をまとめて書いてしまうことがあります。気持ちは分かるのですが、1つだけ止めてはいけないものが混ざっています。
OpenAIの公式ドキュメントの原文です。「Sites that are opted out of OAI-SearchBot will not be shown in ChatGPT search answers」(OAI-SearchBotを拒否したサイトは、ChatGPTの検索の回答に表示されません)。同じ段落に「To help ensure your site appears in search results, we recommend allowing OAI-SearchBot」と、許可の推奨まで書かれています。
3つは独立した設定です(OpenAI「Each setting is independent of the others」)。学習には使われたくないが検索には出たい、という判断ができます。Google-Extended については、Googleが「Google 検索でのサイトの登録に影響したり、Google 検索でのランキング シグナルとして使用されたりすることはありません」と明記しています。
※ robots.txt の変更がOpenAI側に反映されるまで約24時間かかると公式に書かれています。直したのに変わらない、と焦らないでください。
代わりに何をやるか
「やらなくていい」だけでは仕事になりません。同じガイドには「する必要のあること」も3つ書かれています。工務店に効く順に並べ替えます。
1. Googleビジネスプロフィールを最新にする
原文は「Merchant Center(Merchant Center フィードなど)や Google ビジネス プロフィールなどのサービスを利用すると、AI の回答と Google 検索のその他の結果の両方で商品やサービスが表示されやすくなります」。Googleが「AIの回答に表示されやすくなる」と書いている、数少ない具体策です。店舗名の書き方には違反になるパターンがあるので、Googleビジネスプロフィールの店舗名ルールもあわせてご確認ください。
2. 「誰でも書ける記事」をやめる
Googleが挙げている例が、住宅業界そのものです。コモディティ化されたコンテンツの例が「初めて住宅を購入する人向けの 7 つのヒント」、独自性のあるコンテンツの例が「検査を免除して費用を節約した理由: 下水道管の内部調査」です。
前者のような記事、御社のブログにありませんか。Googleは「インターネット上の他のユーザーがすでに言っていることや、生成 AI モデルで簡単に作成できる内容を単に再利用しないでください」と書いています。現場で見たこと、自社の失敗、実際にかかった金額。書けるのは施工している会社だけです。
3. 技術的にインデックスされる状態を保つ
「ページがインデックスに登録されており、Google 検索でスニペットが表示され、検索の技術的要件を満たしている必要があります。これ以外に追加の技術要件はありません」。普通のSEOで詰まっている会社は、そこが直るまでAI対策の話をしても意味がない、ということです。投資先の整理はAI検索時代に工務店・リフォーム会社が投資すべきページにまとめています。
今日やること3つ
1つめは15秒で終わります。自社ドメインの末尾に /robots.txt を付けて開き、GPTBot や OAI-SearchBot という文字列があるか見るだけです。なければ全部許可されています。あった場合は、誰がいつ何のために書いたのかを確認してください。
2つめは、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートを開くことです。表示回数がゼロに近いなら、施策の善し悪し以前に母数の問題です(Search Consoleに「生成AI」が増えた件)。
3つめだけが手を動かす作業です。Googleビジネスプロフィールの営業時間・サービス内容・写真を最新にしてください。新しいファイルを作るより、確実に効きます。
よくある質問
Q. LLMO対策のサービスを提案されています。断るべきですか
A. 中身次第です。提案書に「llms.txtの設置」「AI向けの文章最適化」「チャンク化」が並んでいるなら、この記事の原文を見せて根拠を尋ねてください。逆に「独自性のある記事を増やす」「GBPを整える」「インデックスの問題を直す」が中心なら、名前がLLMOでも中身は正しいSEOです。
Q. llms.txt を置くと、何か悪いことは起きますか
A. 起きません。Googleは「維持することにしても、まったく問題ありません」と明記しています。ただし更新されないファイルが1つ増えるとは言えます。サイトを直したときに更新を忘れると、古い内容のファイルだけが残ります。
Q. ChatGPTに自社名を聞いても出てきません。何をすればいいですか
A. まず robots.txt で OAI-SearchBot を拒否していないかを確認してください。そのうえで、ChatGPTの検索は他社サイトの記述も参照します。比較サイトやポータルにどう書かれているかも見る必要があります。ただしGoogleは、ウェブ全体の「言及」を追いかけることには「実際にはそれほど役に立ちません」という立場です。
まとめ
- Googleは5つの施策を「する必要のないこと」と名指ししています。llms.txt、チャンク化、AI向けの書き換え、言及の監視、構造化データへの過度な注力
- 当社サイトは llms.txt なし・robots.txtにAIの記述ゼロで、生成AI機能に93回表示されています
- 止めてはいけないのは OAI-SearchBot だけ。拒否するとChatGPTの検索の回答から消えます
裏返すと、LLMO対策として売られているものの多くは、名前が新しいだけで中身は既存のSEOです。新しいファイルを1つ作る時間があるなら、現場で見たことを1本書くほうが、Googleの言う「独自の視点」に直接効きます。それは工務店にしか書けないものです。
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株式会社NEXTORIAは、工務店・住宅会社・リフォーム会社に特化したAI×Webマーケティング支援を行っています。SEOとAI検索の現状整理から、記事の企画、Googleビジネスプロフィールの整備、Web広告の運用代行まで、マーケティングチームが対応します。累計60社を超えるご支援のなかで蓄積した、住宅・リフォーム業界に固有の型をそのままお使いいただけます。
出典
- Google検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」(日本語版・最終更新 2026年7月14日・2026年9月7日に確認。する必要のないこと5項目、AEO/GEOの位置づけ、独自性のあるコンテンツの例、ローカルビジネス情報)
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/ai-optimization-guide?hl=ja - Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」(日本語版・最終更新 2025年12月31日・2026年9月7日に確認。技術要件、SEOのベストプラクティス7項目)
https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features?hl=ja - Google検索セントラル「ドキュメントの最新の更新内容」2026年6月15日の項(2026年9月7日に確認。llms.txtのガイダンス明確化、よくある質問のリッチリザルトのドキュメント削除)
https://developers.google.com/search/updates?hl=ja - Google「Google の一般的なクローラー」(日本語版・2026年9月7日に確認。Google-Extended が検索の登録・ランキングに影響しない旨)
https://developers.google.com/crawling/docs/crawlers-fetchers/google-common-crawlers?hl=ja - OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」(2026年9月7日に確認。OAI-SearchBot/GPTBot/ChatGPT-User の役割、拒否した場合の挙動、robots.txt反映の所要時間)
https://developers.openai.com/api/docs/bots - llmstxt.org「The /llms.txt file, v2」(Jeremy Howard・2024年9月3日公開/2026年8月10日更新・2026年9月7日に確認。提案の位置づけ、オンデマンドで使われる旨、採用実績)
https://llmstxt.org/ - 調査:株式会社NEXTORIA(2026年9月7日)。nextoria.jp の
/llms.txtとrobots.txtを取得して確認