P-MAXの「最終ページURLの拡張」をオフにする前に。除外URLは拡張オンでしか設定できません
2026年8月28日、Google広告のP-MAX(Performance Max)のヘルプが大幅に書き換わりました。検索キャンペーンとの優先順位、P-MAXを絞り込むための管理機能、そして「最終ページ URL の拡張」の位置づけ。この3か所がまとめて整理されています。
ただ、追いかけていて気になったことが2つあります。1つは、Googleがこの改訂について何も発表していないこと。もう1つは、実務でよく言われる「最終ページ URL の拡張はオフにしましょう」という助言が、公式の日本語版を読むと成立しなくなることです。除外したいURLを登録する機能は、拡張がオンのときしか使えないと明記されています。公式の原文と、当社が運用を預かる支援先8アカウントの実測を並べて解説します。
この記事でわかること
- ヘルプは確かに書き換わったが、Googleは変更点を公表していない
- 「検索が優先」と明記されているのは、完全一致キーワードだけ
- 検索テーマは、フレーズ一致・インテントマッチと同じ優先順位
- 除外URLは「最終ページ URL の拡張」がオンのときしか追加できない
- Googleは会社概要ページや採用ページを、除外の具体例として挙げている
- 支援先8アカウントの実測:P-MAX 22本に対して検索は9本
まず結論|P-MAXを使っているなら、今日はこの3つだけ
この記事の要点
- 改訂は事実ですが、Googleの発表はありません。出回っている変更点の一覧は、個人がXに投稿した読み比べです。
- 「最終ページ URL の拡張」を安易にオフにしないでください。公式に「除外する URL を追加できるのは、拡張機能が有効になっている場合のみ」とあります。
- 検索が勝つのは完全一致キーワードのときだけ。フレーズ一致とインテントマッチは、P-MAXの検索テーマと同格です。
- そもそも検索キャンペーンを持っていない会社があります。支援先8アカウントのうち1社は、稼働中の7本が全部P-MAXでした。
何が起きたのか|ヘルプは書き換わったが、Googleは何も発表していない
報じた本人が「並べ替えだけかもしれない」と書いている
一次情報は、Search Engine Roundtable(SER)の2026年9月1日付の記事です。ただ、記事を書いたBarry Schwartz氏自身がこう書いています。「A lot, I mean, a lot of the document was updated. I am not sure if it is just reorganizing the document or if anything foundational was changed in these documents」(大量に更新されたが、単なる再編成なのか、本質的な変更があったのかは分からない)。比較しようにもWayback Machineが約1週間止まっていたとも書かれています。
記事の「変更点」の箇条書きは、Shauvik Kumar氏という個人がXに投稿した読み比べの引用です。Googleの発表でも、SERの検証結果でもありません。添えられた差分の画面には「Aug 28, 2026 5:13 am → Aug 28, 2026 2:18 pm ET」とあり、書き換えは米国東部時間の8月28日に起きたと分かります。
新機能ではなく、日本語版には翻訳の注記まである
この改訂で何かが新しく使えるようになったわけではありません。ブランドの除外も除外キーワードも検索テーマも、以前からある機能です。しかも新しいガイドの末尾には「このページには、AI 技術を使用して翻訳されたコンテンツが含まれている場合があります。AI 翻訳には誤りが含まれている可能性があります」とあります。日本語版の表現を根拠に運用ルールを決めるなら、英語版も一度当たっておくと安全です。
改訂の中身1|優先されるのは、完全一致キーワードだけです
「P-MAXと検索キャンペーン、どっちが出るんですか」。支援の現場でよくいただくご質問です。ヘルプはこの点を3行で整理しました。
完全一致は「検索が優先されます」と断定されている
原文は「検索語句が検索キャンペーンの完全一致キーワードと一致する場合、Google 広告では P-MAX よりも検索キャンペーンが優先されます」。ここだけは条件付きではありません。逆に言えば、完全一致で持っていない語に、この保証はありません。
検索テーマはフレーズ一致・インテントマッチと同格
「検索テーマは、フレーズ一致キーワードやインテント マッチ キーワードと同じ優先順位になります」。同格ということは、どちらが出るかはオークションの結果次第で事前には読めません。「フレーズ一致で持っているから検索側が出るはず」という前提は成り立たない、ということです。
ブランド関連キーワードには例外が書かれている
ここが実務で一番効きます。「検索キャンペーンのブランド関連キーワードが完全一致に設定されている場合(検索キャンペーンが予算による制限を受けている場合や、ターゲティングの範囲が狭い場合など)でも、P-MAX キャンペーンではそのブランド関連キーワードに対して広告が表示されることがあります」。対処法もそのまま書かれていて、ブランドの除外を設定するか、そのキーワードを除外キーワードに追加するの2つです。
※ 「優先される」は配信の話で、成果が良くなる保証ではありません。目標CPAが実態と合っていなければ、優先順位を整えても結果は動きません(Google広告の自動入札が変わった件)。
改訂の中身2|「拡張をオフに」の前に、この1行を読んでください
P-MAXの解説で必ず出てくるのが「最終ページ URL の拡張はオフにしましょう」という助言です。工務店サイトには施工事例・ブログ・採用ページなど、問い合わせにつながらないページが大量にあるので、気持ちはよく分かります。ただ、公式ヘルプを読むと、この助言はそのままでは実行できません。新しくできた「最終ページ URL の拡張(アセットの最適化)について」に、この一文があるからです。
除外URLは、拡張がオンのときしか追加できない
公式ヘルプの原文
「注: 除外する URL を追加できるのは、最終ページ URL の拡張機能が有効になっている場合のみです。」
つまりオフにすると、「このページには送らないでください」と指定する道具も使えなくなります。オフにすれば指定した最終ページURLだけに送られるので結果は同じ、とも考えられますが、「拡張はオンのまま、外したいページだけ外す」という中間のやり方が選べなくなる点は、判断の前に知っておく価値があります。
Googleは「有効にしておくことをおすすめします」と書いている
同じページの冒頭は「Google AI を最大限に活用して費用対効果を最適化するには、この機能を有効にしておくことをおすすめします」です。Googleの立場からの推奨なので鵜呑みにする必要はありませんが、「Googleがオフを推奨している」わけではないことは、方針を決めるときの前提として押さえてください。
会社概要と採用ページは、Google自身が除外の例に挙げている
ここが工務店サイトの話とそのまま重なります。原文は「キャンペーンのトラフィックは最も有益なページ(商品カテゴリなど)に誘導され、会社概要や採用情報ページのような非商用目的のコンテンツは除外されます」。裏を返せば「拡張はオンのまま、外したいページを登録してください」という設計思想だということです。
工務店サイトで、まず外す候補
- 採用ページ一式(
/recruit/)── 求人の問い合わせがCVに混ざります - 会社概要・沿革・スタッフ紹介(
/company/)── Googleが公式に例示している類型 - 終了したイベント・見学会の告知 ── 日付が過ぎたページに広告費が流れるのが一番もったいない
- ブログ記事(
/blog/)── ただし集客の主力になっている記事があるなら一律で外さないこと
※ 除外を積む前に、何をコンバージョンとして数えているかを確認してください。営業メールや求人の応募が同じCVに混ざっていると、URLを整えても学習は歪んだままです(問い合わせのCVに営業メールが混ざると、自動入札は歪みます)。
支援先8アカウントを1件ずつ開いて数えました
ここまでは公式ヘルプの話です。では実際の工務店・住宅会社のアカウントはどうなっているのか。当社が運用を預かるGoogle広告アカウント8件を、1件ずつ開いて数えました(2026年9月7日・閲覧のみ)。
P-MAX 22本に対して、検索は9本
有効なキャンペーンだけを数えると、P-MAXが22本、検索が9本でした。ヘルプは「P-MAX は既存の検索キャンペーンを補完するもの」と書いていますが、現場の本数比はおよそ2.4倍で、P-MAXが主・検索が従です。稼働している7アカウントのうち、P-MAXを使っているのは6でした。
検索キャンペーンを1本も持たないアカウントが1件あった
住宅会社Fは、稼働中の7本がすべてP-MAXでした。この場合、「完全一致キーワードなら検索が優先される」という整理はそもそも適用されません。比較する相手がいないからです。指名検索も含め、すべてP-MAXの判断に委ねている状態になります。
「指名」を切り出しているのは8件中1件だけ
ヘルプが警告している「ブランド関連キーワードにP-MAXの広告が出ることがある」への備えは、指名キーワードを完全一致で検索側に持たせることです。ところが8アカウントのうち、キャンペーン名から指名と一般を分けているのは工務店Hの1件だけでした(「検索_指名」「検索_一般」)。ほかは「検索連動型広告」のように1本にまとまっています。
※ キャンペーン名で判断しているため、1本の中で広告グループを分けている可能性はあります。
設定画面を開いてみたところ(1本のみ)
そのうえで、工務店HのP-MAXキャンペーン1本の設定画面を開きました。
「アセットの最適化:テキストのカスタマイズ、最終ページ URL の拡張、他 2 個の設定が有効になっています」。拡張はオンでした。一方で「キャンペーン URL のオプション:オプションは設定されていません」「ページフィード:(未追加)」「ブランドの除外:除外対象のブランドリストはありません」。つまりアクセルは踏んでいるが、ハンドルは握っていない状態です。
もう1つ、実務的に大事な発見がありました。管理画面には「最終ページ URL の拡張」という名前の項目がありません。「アセットの最適化」の中にまとめられています。ヘルプの言葉のまま画面を探すと、見つからずに諦めてしまいます。
※ 設定画面を開いたのは1本だけです。「支援先の大半が未設定だった」といった一般化はできません。次回は本数を揃えて調べます。
元原稿から2点、訂正します
この記事は当社のニュースレターを元にしています。公式の日本語版に当たり直したところ、2点、直す必要がありました。
| 元原稿の記述 | 確認した結果 |
|---|---|
| Googleが「ランディングページの正確性は広告主の責任」と明記した | 公式ヘルプでは確認できませんでした。「責任」という語は、確認した日本語版3ページのいずれにもありません。SERが引用したShauvik Kumar氏の要約(advertiser responsibility)に由来する表現です |
| 「最終ページ URL の拡張」がオンのままになっていないか | オフにすると、除外URLも設定できなくなります。公式は「有効にしておくことをおすすめします」と書いており、確認すべきは「オンかどうか」ではなく「オンのまま、除外URLを積んでいるか」です |
※ 元原稿の①検索キャンペーンとの優先順位の整理、②管理機能のグループ化、③改訂日(8月28日)については、いずれも公式ヘルプとSERの記事で裏が取れました。
今日やること3つ
1つめは、[キャンペーン]の一覧に「キャンペーン タイプ」列を出すだけです。2つめは、キャンペーン名の横の歯車から[設定]を開き、[その他の設定]の「アセットの最適化」「キャンペーン URL のオプション」「ブランドの除外」の3行を見ます。チェックを外したり保存を押したりする必要はありません。
3つめだけが社内で決める作業です。URLを決めないまま画面を触っても手が止まるので、先に紙に書き出してください。なお1つめで検索が0本だった会社は、この3つより先に「指名キーワードの受け皿を作るかどうか」を決める段階です。
よくある質問
Q. 結局、拡張はオンとオフのどちらがいいですか
A. サイトに「送っていいページ」がどれだけあるかで決まります。費用・見学会・資料請求のように成果につながるページが複数あるなら、オンのまま除外を積むほうが取りこぼしが減ります。1〜2枚しかないなら、オフにして固定するほうが管理は簡単です。ただしオフにした瞬間、除外URLという調整手段は使えなくなります。
Q. ブランドの除外を設定すると、指名検索で広告が出なくなりますか
A. P-MAXからは出なくなります。そのぶんを検索キャンペーン側で受けるのが、ヘルプが示している形です。指名キーワードを完全一致で持っていない状態でP-MAX側だけ除外すると、受け皿が消えます。先に検索側を用意してから除外してください。
Q. 除外URLは何本くらい登録するものですか
A. 公式に上限や目安の記載はありません。ヘルプが注意しているのはむしろ逆で、URLルールを広く取りすぎると「関連性の高いトラフィックを発見する AI の能力が大幅に制限され」ると書かれています。明確に外したい10本から始めるのが現実的です。
まとめ
- ヘルプは書き換わったが、Googleの発表はない。報じた記者自身が「再編成かもしれない」と書いています
- 「拡張をオフに」は単純な正解ではない。除外URLは拡張がオンのときしか追加できません
- 優先順位の話は、検索キャンペーンを持っている会社の話。支援先ではP-MAX 22本に対して検索は9本でした
裏返すと、今回の改訂でいちばん確認する価値があるのは、P-MAXの設定そのものではなく「検索側に何を持たせているか」です。同じことは、Google広告に「予約ボタン」が自動で付く件を実機で確かめたときにも感じました。発表を読んで慌てるより、自社の管理画面を開いて数えるほうが、10分で答えが出ます。
自動化が広がるほど、運用側に何が残っているかを確かめる作業が重要になります。Meta広告でも同じことが起きていて、1つの広告に最大10件の素材を入れる方式が広がる一方、使えない条件とレポートの例外は英語のヘルプにだけ書かれています。Meta広告の「10素材アップロード」は正解か。画像ごとの数字が出ない指標がありますにまとめました。
P-MAXと検索、どちらに何を任せるか。決めきれていませんか。
株式会社NEXTORIAは、工務店・住宅会社・リフォーム会社に特化したAI×Webマーケティング支援を行っています。Google広告・Meta広告の運用代行では、キャンペーン構成の設計からコンバージョンの定義、除外URLの整備までを一緒に決めていきます。累計60社を超えるご支援のなかで蓄積した、住宅・リフォーム業界に固有の型をそのままお使いいただけます。
出典
- Google広告ヘルプ「P-MAX キャンペーンについて」(日本語版・2026年9月7日に確認。検索キャンペーンとの優先順位、キャンペーン単位の管理機能の一覧)
https://support.google.com/google-ads/answer/10724817?hl=ja - Google広告ヘルプ「P-MAX の検索ターゲティングと管理機能」(日本語版・2026年9月7日に確認。5つの管理機能をまとめたガイド、AI翻訳に関する注記)
https://support.google.com/google-ads/answer/16672776?hl=ja - Google広告ヘルプ「最終ページ URL の拡張(アセットの最適化)について」(日本語版・2026年9月7日に確認。有効化の推奨、除外URLの条件、会社概要・採用情報ページの例示、URLルールの注意)
https://support.google.com/google-ads/answer/16672777?hl=ja - Search Engine Roundtable「Google Ads Performance Max Help Docs Updated」(2026年9月1日付・2026年9月7日に確認。改訂の報道、Barry Schwartz氏のコメント、Shauvik Kumar氏のX投稿の引用、差分の日時)
https://www.seroundtable.com/google-ads-pmax-help-doc-updated-41982.html - 調査:株式会社NEXTORIA(2026年9月7日)。当社が運用を預かるGoogle広告アカウント8件のキャンペーン構成と、うち1本のP-MAXキャンペーン設定を閲覧により確認