AIで調べた人の7割が引用元を見に行く。では誰が引用されているのか、6つの質問で確かめました
「お客様がAIで調べてから来る、という話は聞くのですが、うちには関係ないですよね」。工務店の経営者の方から、よくこう聞かれます。関係はあります。ただし、多くの方が想像しているのとは違うかたちでです。
2026年7月、株式会社ネオマーケティングが「AICASモデルの実態調査(2026年)」を公表しました。AIで商品・サービスを調べている人のうち、69.4%が「AIの回答に出てきた引用元のリンクを確認する」と答えています。だとすれば、次に気になるのは「では、誰が引用されているのか」です。この記事では、工務店のお客様が聞きそうな6つの質問をGoogleのAIモードに投げ、表示された引用元55件を1件ずつ分類した結果をお見せします。結論を先に書くと、55件のうち31件は施工会社の自社サイトでした。ポータルに全部持っていかれている状態ではありません。
この記事でわかること
- AIで調べる人の69.4%が引用元を確認している(ネオマーケティング調査)
- ただし米国の実測データでは、AI要約が出るとクリックはむしろ減っている
- 6つの質問でAIモードを実測。引用元55件のうち31件は施工会社の自社サイトだった
- 「おすすめは?」と聞かれたときだけ、景色が変わる
- 地名を入れない質問では、地元の会社は1件も出てこなかった
- 明日からできる5つの打ち手と、5分で現在地を測る手順
まず結論|工務店・リフォーム会社が押さえるべき4つ
この記事の要点
- 自社サイトが直接引用される余地は、まだ大きく残っています。実測した55件のうち31件(約56%)は、実際に工事をする会社の自社サイトでした
- ただし質問の種類で結果が変わります。「費用はいくら」なら自社サイトが6割前後。「おすすめはどこ」だと、引用元の3分の2が比較・まとめサイトに変わります
- 地名を入れない質問では、地元の会社は1件も出ませんでした。市区町村名は、書いておかないと拾われません
- 引用されること自体はゴールではありません。米国の実測では、AI要約が出た検索でリンクがクリックされたのは8%です。過度な期待は禁物です
※ この記事はネオマーケティングの公表資料、米国Pew Research Centerの調査、および当社が2026年9月7日に行った実測にもとづくものです。実測は6つの質問・1回のみで、日本全体の傾向を示すものではありません。
調査データ|AIで調べた人の約7割は、引用元まで見に行く
まず、もとになった数字です。株式会社ネオマーケティング「AICASモデルの実態調査(2026年)」。調査対象は「直近1か月以内に、AIを使って商品・サービスの情報収集をした」全国20〜69歳の男女1,000名、2026年6月15日から17日のWEBアンケートです。

いちばん効く数字は「69.4%」です
目を引くのは「65.8%が購買につながった経験がある」のほうですが、工務店が明日から動けるのは69.4%の数字です。「回答に表示された引用元のリンクを確認するか」に対し、「必ず確認する」14.6%、「確認することが多い」54.8%。合わせて69.4%でした。
つまりAIの回答は終着点ではなく通過点です。回答に自社サイトが引用元として出てくれば、そこから見に来る人がいる。逆に、引用されなければその経路は存在しません。
ただし、母集団は「すでにAIで調べている人」です
ここは注意して読む必要があります。この調査の対象は、直近1か月以内にAIで情報収集をした人だけです。AIをまったく使っていない層は母集団に入っていません。住宅・リフォームのお客様は年齢層が高めのことも多いので、「世の中の7割がこうだ」ではなく「AIで調べる人のなかでは7割がこうだ」と読んでください。
なお調査名の「AICAS」は、日経クロストレンドが2026年4月に提唱した購買行動モデルです。Ask(相談)→ Interest(興味)→ Confirm/Check(確認)→ Action(購買)→ Share(共有)の頭文字で、起点が「注目させられること」ではなく「自分から聞くこと」に変わったのが要点とされています。
反対側の数字|AI要約が出ると、クリックはむしろ減っている
この話には、並べて読むべきデータがあります。米国のPew Research Centerが2025年7月に公表した調査です。アンケートではなく、実際の閲覧履歴を追跡した実測という点が重要です。

米国成人900人の2025年3月の閲覧履歴から、Google検索68,879件を分析したものです。うち12,593件にAI要約が表示されていました。
| 見た指標 | AI要約あり | AI要約なし |
|---|---|---|
| 検索結果のリンクをクリックした割合 | 8% | 15% |
| AI要約のなかの引用元リンクをクリックした割合 | 1% | — |
| その検索でセッションを終えた割合 | 26% | 16% |
※ 調査主体・国・時期・手法がいずれも異なります(ネオマーケティングは2026年6月の日本の自己申告、Pewは2025年3月の米国の行動実測)。直接比較できる数字ではなく、「聞かれれば確認すると答えるが、実際のクリックはそれよりずっと少ない」という方向性を示すものとして読んでください。
私たちが支援の現場でお伝えしているのも、この温度感です。引用されれば流入は増えますが、検索1位を取ったときのような増え方ではありません。広告や既存の検索流入を削ってまで寄せる話ではない、と考えています。
では、誰が引用されているのか|6つの質問で確かめました
ここからが本題です。「AIに引用されましょう」という記事は多くありますが、実際に誰が引用されているのかを数えた記事は、あまり見かけません。そこで当社で確かめました。
実測の方法
- 日時:2026年9月7日/使ったもの:GoogleのAIモード(日本語・日本からの検索)
- 質問:お客様が実際に打ちそうな話し言葉の質問を6つ
- 数え方:回答の下の引用元パネルを「すべて表示」まで開き、出たサイトを重複なしで数える
- 分類:1件ずつ運営者を調べ、施工会社の自社サイト/比較・一括見積もり・まとめサイト/その他(メーカー・自治体・動画・メディア)に分けた
社名はすべて伏せています。必要なのはサイトの種類と件数で、どの会社かではないためです。

結果1|55件のうち31件は、施工会社の自社サイトだった
延べ55件のうち、31件(約56%)が実際に工事をする会社の自社サイトでした。工務店・リフォーム会社・塗装会社・屋根工事会社の、自社ドメインのサイトやコラムです。比較・一括見積もり・まとめサイトは16件(約29%)でした。
「AIはポータルばかり引用するから、うちがやっても無駄だ」は、少なくともこの6問には当てはまりませんでした。自社サイトに書いた費用の記事や施工事例が、そのまま引用元として表示されています。

結果2|「おすすめは?」と聞かれたときだけ、景色が変わる
ただし、質問の種類で結果はかなり違いました。
| 質問 | 引用元 | 施工会社 | 比較・まとめ | その他 |
|---|---|---|---|---|
| 浜松市でリフォームを頼むと費用はいくらくらいかかりますか | 13件 | 8件 | 3件 | 2件 |
| 浜松市で外壁塗装を頼むと費用はいくらくらいですか | 10件 | 6件 | 3件 | 1件 |
| 浜松市で注文住宅を建てるなら、どの工務店がおすすめですか | 6件 | 2件 | 4件 | 0件 |
| 浜松市でリフォームに使える補助金を教えてください | 6件 | 3件 | 2件 | 1件 |
| 工務店とハウスメーカーはどちらを選ぶべきですか | 6件 | 2件 | 3件 | 1件 |
| 築30年の一戸建てをフルリノベーションする費用はいくらですか | 14件 | 10件 | 1件 | 3件 |
| 合計 | 55件 | 31件 | 16件 | 8件 |
「費用はいくらか」を聞いた3問では、施工会社の自社サイトが13件中8件、10件中6件、14件中10件でした。ところが「どの工務店がおすすめですか」だけは、6件中4件が比較・まとめサイトに変わります。
そしてAIはこの質問に、地元の工務店の名前をいくつも挙げて答えていました。それなのに引用元として並んでいたのは、その会社の自社サイトではなく「◯◯市のおすすめ工務店15選」のようなまとめ記事のほうでした。

つまり「おすすめの会社」を答えるとき、AIは自社サイトではなく、第三者が並べたリストを根拠にしています。自社サイトをどれだけ充実させても、「うちがおすすめです」とは書けません。誰かがそう書いている記事が必要になる、という構造です。
結果3|地名を入れない質問では、地元の会社は1件も出てこなかった
これがいちばん実務に効く発見でした。6問のうち、質問文に「浜松市」を入れたのは4問、入れなかったのは2問です。
地名の有無で、こう変わりました
- 地名あり(4問・引用元35件):静岡県内の会社が15件。約43%
- 地名なし(2問・引用元20件):静岡県内の会社は0件
とくに「築30年の一戸建てをフルリノベーションする費用はいくらですか」は、引用元14件のうち10件が施工会社の自社サイトでした。それなのに、10件すべてが県外の会社です。群馬・東京・埼玉・山梨・広島・千葉・熊本・愛知の会社が並んでいました。
フルリノベーションの費用について、どれだけ丁寧な記事を書いていても、地名なしの質問では地元の会社は選ばれません。逆に「浜松市で」と付いた瞬間に上がってきます。記事のタイトルと本文に、市区町村名を書いておくこと。「対応エリア」ページに一覧で置いてあるだけでは足りず、費用や事例の記事そのものに地名が要ります。
結果4|補助金の話でも、市の公式サイトは6件中1件だけ
もう1つ。「浜松市でリフォームに使える補助金を教えてください」という、自治体の公式サイトがいちばん正確なはずの質問でも、引用元6件のうち市の公式サイトは1件でした。残り5件は民間で、うち3件は地元の施工会社の自社サイトです。
公的な情報だから公式サイトが引かれる、とは限りません。制度の解説記事は自社で持つ価値があります。ただし補助金は年度で内容が変わるので、更新日と出典を明記し、毎年見直す前提で持ってください。
この結果から、工務店が明日やること5つ
実測をふまえて、上から順に手間が軽くて効きやすいものを並べました。

1|実際にAIに聞いて、現在地を5分で測る(当日・無料)
いちばん先にやってください。手を動かす前に、いまどう見えているかを知る必要があります。
5分でできる手順
- Google検索を開き、上部のタブから「AI モード」を選ぶ
- 「◯◯市でリフォームを頼むと費用はいくらくらいかかりますか」と、お客様の言葉のまま打つ
- 回答の下の引用元パネルを「すべて表示」まで開く
- 自社が入っているか、入っていないならどんな種類のサイトが入っているかをメモする
- 同じことを「◯◯市で△△(自社の主力工事)はいくらですか」でも試す
結果はその日の状況で変わります。1回で判断せず、月に1度、同じ質問で見るのがおすすめです。
2|記事のタイトルと本文に、市区町村名を入れる(当日・無料)
結果3のとおりです。既存の費用ページ・事例ページのタイトルに地名が入っていないなら、そこを直すのがいちばん早い打ち手になります。「リフォーム費用の目安」ではなく「浜松市のリフォーム費用の目安」にする、という単純な話です。
3|費用と施工事例を、画像ではなく本文のテキストで書く
手間はかかりますが、効き方も大きいところです。価格表を画像で貼っている、施工事例のスペック(築年数・工期・金額・工事内容)が写真のキャプションだけになっている。この状態だと、AIは中身を読み取りにくくなります。
実測で引用されていた地元の会社のページは、いずれも金額のレンジと、その金額になる条件が本文のテキストで書かれていました。「キッチン交換 80万〜200万円、レイアウト変更を伴う場合は150万〜350万円」のような書き方です。まずは自社サイトを開いて、価格表と事例スペックが画像だけになっていないか確かめてください。
4|補助金・制度の解説記事を、自社で持つ
結果4のとおりです。更新日と出典(市のページのURL)を明記したうえで、自社の言葉で解説する。年度が変わったら書き換える運用とセットで持ってください。
5|「◯◯選」のまとめ記事に載る導線を持つ
結果2のとおり、「おすすめは?」への答えの根拠は第三者のリストです。自社サイトの努力だけでは届かない領域があります。地域のまとめ記事や比較サイトへの掲載、取材依頼への対応など。費用も手間もかかるので、1〜4を終えてから検討するので十分だと考えています。
うまくいかないパターンと、まだわかっていないこと
避けたい3つの進め方
- 「AI対策」だけを切り出して外注する。今回引用されていたのは特別な仕掛けのページではなく、費用と条件がテキストで書かれた普通のページでした
- 引用されること自体をゴールにする。AI要約内のリンクがクリックされたのは実測で1%。入り口の1つであって、問い合わせ数を保証するものではありません
- ポータル依存をゼロにしようとする。「おすすめ」を聞かれる場面ではむしろポータルが主役です。役割が違うものとして両方持つのが現実的です
| わかっていないこと | 理由 |
|---|---|
| 引用された会社に、実際どれだけ問い合わせが増えたか | 当社で計測できていません。効果の数値は出せていません |
| ChatGPTなど他のAIでも同じ結果になるか | 今回はGoogleのAIモードのみで確認しています |
| 他の地域でも同じ傾向か | 浜松市を含む6問だけの結果です。商圏によって変わる可能性があります |
| 日本での「AI要約が出たときのクリック率」 | 図2は米国のデータです。日本の実測値は見つかっていません |
よくある質問
Q. うちのお客様は年配の方が多いので、まだ関係ないのでは。
おっしゃるとおりの面はあります。調査の母集団は「すでにAIで調べている人」なので、御社のお客様全体がこうだとは限りません。ただ打ち手1〜3は、AI対策としてではなく通常のSEO対策としても効きます。優先順位は、直近の問い合わせがどの経路から来ているかを見てから決めてください。
Q. 問い合わせの経路は、どうやって確かめればいいですか。
Google アナリティクスの流入元と、広告のコンバージョン設定の両方を見ます。ただし、そのコンバージョンの中身に営業メールが混ざっていると、経路の判断そのものが歪みます。計測の中身を先に確かめる話は、問い合わせのCVに営業メールが混ざると、自動入札は歪みますに書いています。
Q. 構造化データ(スキーマ)を入れたほうがいいですか。
入れて損はありませんが、優先順位としては後ろだと考えています。今回引用されていたページを見た限り、特別な構造化データが決め手になっている様子はありませんでした。まずは本文に情報が書かれていること、そこに地名が入っていることのほうが先です。
まとめ
この記事の結論
- AIで調べる人の69.4%が引用元を確認しています。ただし米国の実測ではクリックは8%。入り口が1つ増えた、という捉え方が実態に近いです
- 引用元55件のうち31件は、施工会社の自社サイトでした。ポータルに全部持っていかれている状態ではありません
- 地名を入れない質問では、地元の会社は0件でした。まずは費用ページのタイトルと本文に市区町村名を入れることから始めてください
「AI対策」という新しい仕事が増えたわけではありません。費用を書く、条件を書く、地名を書く。もともとお客様に向けてやるべきだったことが、そのまま効いている。これが今回の実測の印象です。伝聞ではなく実際に開いて確かめる話はMeta広告の「手動配置」が消える件でも書きましたが、今回も同じでした。
AIモードを開いて、お客様の言葉で1つ質問してみる。5分の作業です。それが最初の一歩として、いちばん確かだと考えています。
なお、AIに引用されているかどうかは、Search Consoleでも数字で見られるようになりました。2026年8月31日に全サイトへ開放された生成AIパフォーマンスレポートと、その隣にある設定については、Search Consoleの[検索の生成AI]が全サイトに開放に書いています。
では、引用される側になるために何をするのか。巷のLLMO施策のうち5つは、Google自身が「する必要のないこと」と書いています。詳しくはLLMO対策は必要か。Googleが「する必要のないこと」を5つ名指ししていますをご覧ください。
自社サイトが、AIの回答に引用されているか確かめませんか。
株式会社NEXTORIAは、工務店・住宅会社・リフォーム会社に特化したAI×Webマーケティング支援を行っています。AI検索での現在地の測定、費用ページ・施工事例ページの整備、地域キーワードの設計から、Google広告・Meta広告の運用代行まで、マーケティングチームが対応します。累計60社を超えるご支援のなかで蓄積した、住宅・リフォーム業界に固有の型をそのままお使いいただけます。
出典
- 株式会社ネオマーケティング「AICASモデルの実態調査(2026年)」(2026年7月8日公表。全国20〜69歳男女のうち直近1か月以内にAIで商品・サービスの情報収集をした1,000名、2026年6月15〜17日のWEBアンケート)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000696.000003149.html - 株式会社ネオマーケティング「コンテンツマーケティング支援サービスの強化」(2026年9月4日公表。同調査の数値を再掲)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000716.000003149.html - 株式会社日経BP「日経クロストレンド、AI時代の新たな消費者購買行動モデル『AICAS』を提唱」(2026年4月15日。500人への独自調査)
https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/newsrelease/corp/20260415/ - Pew Research Center「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results」(2025年7月22日。米国成人900名の2025年3月の閲覧履歴、Google検索68,879件を分析)
https://www.pewresearch.org/short-reads/2025/07/22/google-users-are-less-likely-to-click-on-links-when-an-ai-summary-appears-in-the-results/ - 引用元の実測は、株式会社NEXTORIAが2026年9月7日にGoogleのAIモードで6つの質問を行い、表示された引用元55件の運営者を1件ずつ確認して分類したものです。掲載にあたり社名・ドメインはすべてマスクしています。