「AIの掲載順位」は存在しません。Search Consoleの2つのレポートを実機で比べました
月次レポートで「AI経由の掲載順位が先月より上がりました」と書いていませんか。その数字は、AIの順位ではありません。2026年9月、GoogleのJohn Mueller氏がAIモードの順位の数え方を説明したことが報じられ、この話題があらためて広がりました。
ただ、報道を読む前に確かめておくべきことがあります。Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートには、そもそも掲載順位という指標がありません。自社と支援先の管理画面を実際に開いて、2つのレポートを並べて確かめました。
この記事でわかること
- 生成AIレポートの指標が「表示回数」1つだけだという実機の画面
- 検索パフォーマンスの平均掲載順位が、AI込みの数字である理由
- 「検索での見え方」にAIの行が出てこないこと
- Mueller氏が説明したのは何で、何を説明していないのか
- 公式ヘルプに1年以上前から書かれている2つのルール
- 自社と支援先の実数と、月次レポートの作り方をどう変えたか
まず結論|「AIの掲載順位」という数字は、レポートに存在しません
この記事の要点
- 生成AIパフォーマンスレポートの指標は「表示回数」だけです。クリック数もCTRも掲載順位もありません。自社と支援先の2プロパティで確認しました。
- 検索パフォーマンスには平均掲載順位があります。ただしAI経由も通常の検索結果も混ざった数字で、AIだけを取り出すことはできません。
- Mueller氏が説明したのは、AIモードの画面の中でリンクに何位を割り当てるかという話です。レポートの仕様が変わったわけではありません。
- 見るべきは表示回数とクリック数の2つです。順位は、変動の理由を説明できないまま数字だけが動きます。
順に、実機の画面と公式の記述を示しながら見ていきます。
実機で確かめました|2つのレポートは、指標の数が違います
Search Consoleには、AI関連の数字が見られる場所が2つあります。[検索パフォーマンス]>[生成AI]と、[検索パフォーマンス]>[検索結果]です。同じサイトの同じ期間で並べると、違いがはっきりします。

生成AIレポートにあるのは「表示回数」だけです
上の画面が生成AIパフォーマンスレポートです。指標のカードは「合計表示回数」の1枚しかありません。クリック数、CTR、平均掲載順位のカードは存在せず、選ぶこともできません。見出しには[ベータ版]のバッジが付いています。
内訳のタブもページ・国・デバイス・日の4つだけで、クエリのタブはありません。レポートの読み方そのものはSearch Consoleに「生成AI」が増えた。住宅会社サイトの実データで見る、AI概要に拾われるページの正体にまとめています。
検索パフォーマンスの平均掲載順位は、AI込みの数字です
下の画面が通常の検索パフォーマンスです。合計クリック数3,080/合計表示回数12.4万/平均CTR 2.5%/平均掲載順位7.7と、4つの指標が並びます。ここには平均掲載順位があります。
ただし注意が必要です。この7.7は、AI経由の表示も通常の検索結果の表示もすべて混ぜた平均です。公式ヘルプは「生成 AI パフォーマンス レポートには、パフォーマンス レポート(検索結果)のウェブ検索タイプからのデータが含まれます。」と書いています。AIの分は別枠ではなく、通常検索の中に合算されています。
「検索での見え方」にも、AIの行は出てきません
では内訳で切り分けられるかというと、できませんでした。検索パフォーマンスの[検索での見え方]タブを開くと、自社・支援先の2プロパティとも「データがありません」でした。

AI経由の表示回数は確実にあります。この支援先は2.68万回、自社も588回です。それでも[検索での見え方]には1行も出てきません。画面の上でAIの露出だけを取り出す手段が、いまのところ無いということです。

Googleが説明したのは「AIモードの中での順位の付け方」です
おおむね上から下、左から右
今回報じられたMueller氏の説明は、AIモードの画面に並ぶリンクに、Search Consoleが何位を割り当てているかという話です。「position is roughly top to bottom, left to right (for LTR languages)」(おおむね上から下、左から右。左横書き言語の場合)とされています。
あわせてこの数え方は今後も変わりうると明言しています。「the goal is not a written-in-stone absolute truth for position counting (that’s impossible), but rather to make something that’s useful for site owners in terms of understanding how their site is shown.」(石に刻まれた絶対的に正しい順位の数え方を目指しているわけではない。それは不可能だ。サイト運営者が自社サイトの見え方を理解するのに役立つものを作ろうとしている)。
数日前に、もっと踏み込んだ発言がありました
実はその数日前、同氏はRedditでこの記事の結論そのものを言っています。
Mueller氏の発言(2026年9月10日ごろ報道)
「Position for these is hard to do in a way that makes it useful, so we’re currently tracking it like we do for many search features (as a block), & it’s not separated out in the Gen-AI performance report.」
(AI関連の順位は、役に立つ形で出すのが難しい。そこで現在は多くの検索機能と同じように、ひとかたまりとして追跡している。生成AIパフォーマンスレポートでは分離されていない)
同じやり取りで「the old “position 1 – 10” is hard to map, or to make useful for site owners」(従来の「1位から10位」という考え方は、当てはめるのも、サイト運営者にとって役立つものにするのも難しい)とも述べています。実機で見た画面と、完全に一致します。
ニュースの読み方で、気をつけた3点
当社がこの件を追ううえで、実際に引っかかった点を挙げておきます。他社の解説記事を読むときにも効きます。

とくに3つ目は、引用の扱いの話です。大文字の「The goal is…」で始まる独立した1文として引用している記事がありますが、原文は前の文からセミコロンでつながった節で、小文字の「the」で始まります。意味は変わりませんが、「原文ママ」と書いて引用するなら、ここは合わせておく必要があります。
※ Mueller氏の発言はLinkedInのコメントとして投稿されたもので、当社はLinkedIn本体を取得できませんでした。本文の引用は、質問者本人のブログおよびSearch Engine Roundtableの報道に依拠しています。
公式ヘルプには、前からこう書いてあります
今回の説明は、新しいルールの発表ではありません。Search Consoleヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」に、以前から書かれている内容です。

AIによる概要は、リンクが何本あっても順位は1つ
ヘルプの原文はこうです。「AI による概要に付与される掲載順位は検索結果内で 1 つのみです。つまり、AI による概要内のすべてのリンクに同じ掲載順位が割り当てられます。」
つまりAI概要の中で1番目に載っても5番目に載っても、記録される順位は同じです。「AI概要の中で何番目に引用されたか」を順位で追うことは、構造上できません。
AIモードのほうは「AI モードにおける掲載順位は、Google 検索の検索結果ページの場合と同じ方法で計算されます。」とあり、今回Mueller氏が補足したのはこの一文の中身です。
フォローアップの質問は「新しいクエリ」になります
同じページに、見落とされがちな一文があります。「ユーザーが AI モード内でフォローアップの質問をすると、実質的には新しいクエリが実行されます。新しい回答の表示回数、掲載順位、クリック数のすべてのデータは、この新しいユーザークエリに由来するものとしてカウントされます。」
AIモードで深掘りされるほど、クエリ数も表示回数も増えます。表示回数が伸びたときに、実際の検索人数が増えたのか、1人あたりの質問回数が増えたのかは、この数字だけでは切り分けられません。
※ 同じページには「注: Search Labs の試験運用版のデータは、現在開発中であるため、Search Console には含まれません。」という記載もあります。また日本語版の末尾には「このページには、AI 技術を使用して翻訳されたコンテンツが含まれている場合があります。」と書かれているため、重要な判断は英語版と突き合わせることをおすすめします。
では、月次レポートで何を見ればいいのか

表示回数とクリック数の2つに絞る
生成AIレポートで取れるのは表示回数だけです。クリック数は検索パフォーマンス側にありますが、AI経由のクリックだけを取り出すことはできません。したがって実務としては、生成AIレポートの表示回数を主指標に置き、サイト全体のクリック数と並べて見るのが現実的です。
順位を外す理由は単純です。数え方が固まっていないとGoogle自身が言っている数字を、前月比で論じても、上下の理由を説明できません。
自社と支援先の実数|AI比率は3.2%から8.3%になりました
参考までに、当社が把握している数字を出します。生成AIの表示回数が、通常検索の表示回数の何%にあたるかという比率です。

当社サイトは3.2%から8.3%になりました。3.2%はSearch Consoleの[検索の生成AI]が全サイトに開放。開いたら「選べない」状態でしたで取得した2026年9月上旬時点の数字で、同じプロパティを今回取り直したものです。支援先の工務店サイトは約22%で、いちばん高い水準でした。
※ 比率はいずれも当社が実数から算出しました。支援先サイトの合計値はSearch Consoleの画面上で3桁に丸められて表示されるため(2.68万/12.4万)、約22%という値には丸めの幅があります。自社の588/7,120は実数表示のため8.3%は確定値です。調査期間はサイトごとに異なります。
クライアントへの説明の言い方
順位を外すと、報告の場で「なぜ順位を載せないのか」と聞かれます。当社では次の一言で説明しています。
そのまま使える説明文
「AI経由の掲載順位は、Googleが測り方をまだ変えうると明言している数字です。生成AIのレポートにはそもそも順位の項目がありません。ですので当面は、AI経由の表示回数と、サイト全体のクリック数の2つで見ています。」
月次レポートを、こう変えました

いちばん効いたのは比率を追加したことです。表示回数の実数だけだと、サイト全体のアクセスが増えたのかAI経由が増えたのかが分かりません。通常検索の表示回数で割ると、AIにどれだけ拾われる体質になってきたかが見えます。
平均掲載順位は消さずに残しました。ただし「サイト全体(AI経由も含む)の平均」と明記しています。消すと「順位が悪いから隠した」と読まれてしまうためです。
よくあるご質問
Q. 生成AIレポートに、あとから掲載順位が追加されることはありますか
A. 可能性はあります。Mueller氏は「順位の追跡について役に立つ形のアイデアがあれば聞かせてほしい」という趣旨の発言もしており、検討はされている様子です。ただし現時点で予定は公表されていません。レポートは[ベータ版]のままです。
Q. AI概要に引用されているかどうかは、どこで分かりますか
A. Search Consoleでは分かりません。生成AIレポートの数字は「AIによる概要」と「AIモード」を合わせたもので、どちらに何回出たかの内訳もありません。実際に引用されているかを見たい場合は、自分で検索して数えるしかありません。その手順はAIで調べた人の7割が引用元を見に行く。では誰が引用されているのか、6つの質問で確かめましたにまとめました。
Q. AI向けに何か特別な対策をすべきですか
A. Googleは「する必要のないこと」を5つ名指ししています。llms.txtやAI向けの書き換えなどがそれにあたります。詳しくはLLMO対策は必要か。Googleが「する必要のないこと」を5つ名指ししていますをご覧ください。
まとめ|順位を追うより、拾われる割合を見るほうが早いです

- 生成AIパフォーマンスレポートに掲載順位はありません。指標は表示回数だけで、クリック数もCTRもクエリもありません。自社と支援先の2プロパティで確認しました。
- 検索パフォーマンスの平均掲載順位は、AI経由も通常検索も混ざった数字です。[検索での見え方]にもAIの行は出ないため、切り分けはできません。
- 今回は仕様変更ではなく、既存の仕様の再説明です。該当する2つの記述は、報道をたどると2025年5月と6月の時点ですでに同じ文言で引用されています。
順位が測れないことは、悪い話ばかりではありません。拾われる割合という指標は、順位より素直に動きます。当社サイトは3.2%から8.3%になりました。何位かではなく、どれだけ拾われる体質になったか。見る数字を変えると、打ち手も変わります。
ローカル検索のほうも、当社は順位を追いかけないことにしました。Googleが公表している要素は3つだけで、そのうち距離は動かせないためです。実機の数字はリフォーム会社のMEO対策。支援先2拠点を開いたら、閲覧の7割以上はマップではなく検索でしたをご覧ください。
「AI経由の数字を、どう報告すればいいか分からない」を、決めるところから。
株式会社NEXTORIAは、工務店・住宅会社・リフォーム会社に特化したAI×Webマーケティング支援を行っています。Search Consoleのどの数字を追い、どの数字を外すかを整理し、そのまま社内とお客様に説明できる月次レポートの型までご一緒につくります。
出典
- Google「表示回数、掲載順位、クリック数とは」Search Console ヘルプ(日本語版・2026年9月23日に確認)
https://support.google.com/webmasters/answer/7042828?hl=ja - Google「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」Search Console ヘルプ(日本語版・2026年9月23日に確認)
https://support.google.com/webmasters/answer/16984139?hl=ja - Google「検索パフォーマンス レポート(検索結果)」Search Console ヘルプ(2026年9月23日に確認)
https://support.google.com/webmasters/answer/7576553 - Google 検索セントラル「AI features and your website」(最終更新 2025年12月10日・2026年9月23日に確認)
https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features - Search Engine Roundtable「Google Search Console AI Reporting Will Change Over Time」(2026年9月16日)
https://www.seroundtable.com/google-search-console-ai-reporting-change-42099.html - 海外SEO情報ブログ(鈴木謙一氏)「AI Modeの掲載順位は基本『上から下、左から右』——Googleが説明」(2026年9月16日)
https://www.suzukikenichi.com/blog/google-explains-ai-mode-link-positions-generally-top-to-bottom-left-to-right/ - Search Engine Roundtable「Google: The Old Position 1-10 Is Hard To Map For Site Owners」(2026年9月10日)
https://www.seroundtable.com/google-position-1-10-hard-map-42053.html - Search Engine Journal「Google Admits Search Console Reporting For AI Search Is Inadequate」(2026年9月13日)
https://www.searchenginejournal.com/google-admits-search-console-reporting-for-ai-search-is-inadequate/589236/ - Search Engine Journal「Google Clarifies: AI Overview Links Share Single Position In Search Console」(2025年5月14日)
https://www.searchenginejournal.com/google-ai-overview-links-share-single-position-in-search-console/546788/ - Search Engine Roundtable「Google Search Console Now Counting AI Mode Clicks, Impressions & Positions」(2025年6月17日)
https://www.seroundtable.com/google-search-console-counting-ai-mode-39599.html